SESの待機期間は最長で何日?待機期間の原因と待遇から会社選びまで徹底解説!

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SES(システムエンジニアリングサービス)として働くうえで、エンジニアが不安に感じやすい「待機期間」。

案件が途切れてしまったときに発生する「待機期間」は、需要供給のバランスやスキル不足、プロジェクト都合など複合的な要因によって起こります。

エンジニアに責任がない場合でも発生するこの待機期間によって、「給与がどうなるのか?」「キャリアに悪影響がないのか?」など疑問や不安を感じるエンジニアも少なくありません。

本記事では、SES企業への転職を考えている方やフリーランスを考えている方向けに、「SESにおける待機期間とは何か?」から「待機期間中の待遇」「会社選びのポイント」まで具体的な事例を交えながら解説していきます。

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【著者プロフィール】
前田 奈央子
エンジニア歴: 7年+
システムエンジニア歴(バックエンド): 3年+

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目次

SESの「待機期間」とは?

ここではSESにおける「待機期間」の定義と、その発生原因について解説していきます。

特に、待機期間の原因を理解することで、エンジニア自身も待機期間を避けるように行動をとる助けとなるため、理解しておくとよいでしょう。

待機期間=案件が決まらず待っている状態

SESでの待機期間の図

SESでの「待機期間」とは、次の案件が決まるまでに自社または自宅で待機をし、稼働を停止している状態を指します

例えば、直近の案件が2月末に終了し、次の案件が3月中旬から開始だった場合など、日付のずれによって待機期間が発生することがあります。

このように、案件の開始時期や終了時期が調整できないケースがは、SESでは時々発生するのです。

つまり、SESの「待機期間」とは、案件と案件の間に発生する一時的な空白期間ととらえてよいでしょう。

なぜSESでは待機が発生するのか

SESの待機期間は、SESの特性上発生すること自体は珍しくありません。

特に、業界によっては案件の繁閑が激しいこともあり、閑散期は案件がすぐに見つからないことも起こり得ます。

しかし、業界事情やSESの構造的な特徴以外の原因で発生する待機期間には注意が必要です。

特に、SES企業またはエージェント側の原因、エンジニア側の原因、クライアント側の原因など、さまざまな要因が重なって発生した場合は、待機期間が長期となるリスクもあります。

そのため、待機期間が発生した原因をしっかり確認しておくことが重要です。

具体的には、以下のような原因があげられます。

SES企業・エージェント側の原因

SES企業・エージェント側の原因
  • 案件数が少ない
  • 取引先が少ない
  • 営業担当の営業力が弱い

そもそも企業側に案件数が少ない場合や取引先が少ない場合は、案件が枯渇するリスクを抱えています。

そのため、「エンジニアを採用したのに、案件がない」という状況が起きやすいということです。

また、営業担当の営業力が弱い場合には、エンジニアのスキルや領域に合った案件を増やすことも難しいため、待機期間が発生する可能性が高いでしょう。

エンジニア側の原因

エンジニア側の原因
  • 未経験者や初心者などのスキル不足
  • 希望条件が多い、もしくは特殊
  • 面接・面談でのコミュニケーション不足

エンジニア自身のスキルが低い場合にも、待機期間は発生しやすくなります。

また、エンジニアの希望条件が多かったり、特殊な領域や条件を希望する場合にもマッチする案件が見つかりにくいため、待機期間が発生しやすいです。

さらに、クライアント先との面接や面談でのコミュニケーションが不得意で、なかなか次の案件が決まらないというケースもあります。

クライアントによる原因

クライアントによる原因
  • クライアントの申し出により案件の開始時期が延期または未定となった
  • 人員やコスト削減または方針により、予定していた案件自体が中止となった

SES企業側やエンジニアに非がなくとも、クライアントの都合により待機期間が発生することもあります。

特に、案件の開始時期が月単位でずれたり、人員やコスト削減により案件自体がなくなるケースなどは要注意です。

一般的な待機期間の長さの目安

SESの待機期間は一般的に数日~4週間が目安です。

特に、年末年始や年度末などの案件の切替が集中する時期では、案件が終了してもすぐ次の案件が見つかるケースが多いため、1ヶ月以上待つことはあまりありません。

しかし、待機期間の原因が複数ある場合やSES企業の営業力や案件数によっては、待機期間が1ヶ月以上続くこともあります。

待機期間が数ヶ月以上続く場合には、転職やエージェントの見直しを視野に入れたほうが良いでしょう。

待機期間中の給与や待遇はどうなる?

SESの待機期間が発生した場合、給与と待遇がどうなるかは企業や契約内容によって異なります。

待機期間中の給与と待遇は主に以下の3つのパターンに分かれます。

給与が全額支払われるケース

優良SES企業の正社員である場合、待機期間中も給与が全額保証されるケースがあります。

この場合、エンジニアは社内待機をしていることが多く、待機期間中に研修や自習などによってスキルアップを行うことが一般的です。

また、中には社内業務を依頼されたり、受託開発に関わる機会もあります。

つまり、待機期間中も「勤務扱い」となる場合は、給与が全額支払われるというケースとなります。

一部減額されるケース

待機期間を「勤務扱い」とするSES企業がいる一方で、待機期間中は「休業扱い」として一部減額するSES企業もあります。

このような会社の場合は、給与体系に複雑な手当が組み込まれていることが多いです。

例えば、給与を「基本給(または固定給)+案件手当(または業務手当)」で支給しているSES企業も存在します。

このような給与体系の待機期間の場合、案件手当がなくなってしまうため、給与は基本給のみの支給となります。

このような待機期間中の減額は、普段の給与の60%を支給されていれば、労働基準法の規定を満たすため違法ではありません。

(休業手当)

第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

引用元:労働基準法「第二十六条」

待機期間中のエンジニアを抱えることはSES企業にとってはコストであるため、上記のような給与体系を採用し、待機期間中は減額するSES企業が多いです。

無給や雇い止めのリスクがあるケース

待機期間中の待遇で最も注意が必要なのは、無給や雇止めのリスクがあるケースです。

正社員である場合、労働者側の責任でない理由での休業は給与の60%が保証されるため、待機中に無給とはなりません。

しかし、SES企業の中には、「業務委託」や「契約社員」としてエンジニアを募集し、安定した雇用を保障していないこともあります。それぞれのケースを詳しく解説します。

業務委託

業務委託とは、雇用契約を結ばずに、自社の業務を外部に委託することを指します。

SES企業とエンジニアが結ぶ業務委託契約とは、SES業務(客先常駐での業務)をエンジニアに委託することです。

案件に参画せず待機しているエンジニアは、委託された業務を行っていないため、業務委託契約自体がまだ締結されていないと判断される場合があります。

そのため、業務委託契約下にあるエンジニアに待機期間が発生した場合、待機期間中は無給となる場合があるのです。

また、フリーランス契約も業務委託の一種のため、待機期間中に報酬は発生しません。

契約社員

有期雇用である契約社員は、待機期間が長引くと雇い止めをされることもあります。

雇い止めとは、有期雇用で働く従業員に対し、労働契約期間が満了した場合に、その労働契約を更新せずに終了することです。

つまり、待機期間が長くなった契約社員として雇用されているエンジニアは、SES企業側から雇い止めのリスクがあります

SESで待機期間が長引くとどうなる?

SESで待機期間が長引く場合、エンジニアのスキル面と精神面の両方に悪影響が出る可能性があります。

案件から離れている期間が続いた場合、実務経験にブランクが生じてしまい、スキル不足と判断される可能性が高いです。

そのため、次の案件に参画しづらくなるリスクも高まり、悪循環に陥ってしまうことも。

また、待機期間が長すぎる場合には、次の案件先に「エンジニア自体に問題があるのではないか?」と悪印象を与える可能性もあります。

さらに、モチベーションの低下や焦りから、精神面で不調をきたすケースも少なくありません。

実際に待機が2ヶ月以上続いたエンジニアが「エンジニアとして不要な人材だと思われているようで辛い」と営業担当に相談するような事例もあります。

待機期間はどうした?先輩エンジニアに聞いてみた

待機期間はエンジニアにとってスキルの空白期間と見なされがちですが、有意義に過ごすことでエンジニアの市場価値を高めることもできます。

ここでは、実際に待機期間を経験した先輩エンジニアの体験談を紹介します。

スポット案件・短期案件に参加した

「初めてSES企業に入社した後、研修期間が終わり待機になりました。業界的にはちょうど閑散期で、かつ当時はスキルも低かったため、すぐに案件は見つからなかったのです。

しかし、スポット案件と言われる短期案件を営業に紹介してもらい、完全な待機期間を減らすことができました。未経験でもできるキッティングの案件だったため、業務手当は多くはありませんでしたが、完全な待機期間よりは給与が上がったので、経済的にとても助かりました。」

上記の体験談では、未経験でSESの場合に待機期間が長かったので短期案件に参画したようです。

未経験やスキルが浅いエンジニアの場合、最初の案件参画までに時間がかかることがあります。

そのため、SES企業も未経験者でも参画できる案件を用意していることがあるようです。

自社で研修や自習をしていた

「自分の場合、次の案件が月初から開始予定だったのですが、クライアント都合で半月ほど延期となったため、2週間ほど自社で待機していました。待機期間中は出社し、資格勉強などをしていました。ちょうど翌月に資格試験があったため、勉強時間が増えたので個人的に待機期間が出来たのは嬉しかったです。
また、案件参画中にはなかなか参加できなかった自社の研修に参加することもでき、とても有意義に待機期間を過ごすことができました。」

上記の体験談では、突発的にできた待機期間で自社で自習や研修に参加しています。

自社での自習は、待機期間の一般的な過ごし方ですが、資格試験やスキルアップに励むことで、次の案件に活かすこともできます。

待機期間をただの空き時間ではなく、技術を磨く時間として意識的に取り組むことで、エンジニアとして他と差をつけることが可能です。

社内の受託開発の手伝いをしていた

「待機期間中は自社内の受託開発を手伝っていました。もともとテスターとして案件に参画することが多かったので、受託開発の結合試験の手伝いを頼まれたのです。
案件のときとは違い、自社内での作業のため、比較的自由に作業ができて楽しかったです。また、軽微な不具合修正に挑戦させてもらえたので、次の案件での面接で実務経験としてアピールすることができました。」

上記の体験談では、自社の受託開発の手伝いをしています。

SES企業といえどもSES事業が100%の会社もあれば、受託開発や自社開発をしている企業もあります。

そのため、待機期間中のエンジニアに簡単な社内作業を依頼することも珍しくありません

また、自社内だからこそ挑戦させてもらえる業務の場合もあり、エンジニアにとってもメリットがあります。

待機期間の多い会社・少ない会社の3つの見分け方

待機期間がSESの特性上、まったく発生しないようにすることは難しいです。

しかし、待機期間を短くすること、待機期間の頻度を減らすことは決して不可能ではありません。

ここでは、待機期間の多い会社・少ない会社を見分ける方法について解説していきます。

1.営業力が強い会社は待機が少ない

営業力が強い会社は、そもそも待機自体が少ない傾向にあります。

営業担当が積極的にクライアントと関係を築いていると、信頼関係が構築されます。

その結果、クライアントの方から欲している人材について相談を受けることもあります。

このように営業力が強いSES企業は、案件を切らすリスクを最小限に抑えることができるのです。

また、営業力が強い営業担当はエンジニアのスキルを把握し、エンジニアのスキルや領域に合った案件を探すことに長けているため、マッチングもスムーズになります。

そのため、営業に力を入れているSES企業では、待機自体が発生しにくい環境にあるといえるでしょう。

2.案件数や取引先の幅で判断する

案件数が豊富、もしくは取引先の業種・規模が多様なSES企業も、待機期間が発生しづらいSES企業の特徴です。

案件の数が多ければ多いほど、選択肢が広がるため、エンジニアのスキルや領域に沿った案件を提供できます。

また、取引先の業種や規模が多い場合も、柔軟に対応して案件を提供しやすいです。

例えば、旅行業界が不況となり案件が少なくなった場合、他の業界の取引先の案件にエンジニアをアサインできます。

特定の業界に依存しているSES企業よりも、複数の業界と取引があるSES企業の方が、案件が極端に減るリスクが少なくなります。

このような企業は、「案件数1万以上」など案件数の多さを求人でアピールしていたり、SES企業の公式HPで主要取引先を掲載していることが多いです。

3.口コミや体験談で待機率をチェック

具体的な待機期間の発生率や長さについて確認したい場合は、口コミや体験談でチェックするのが有効です。

実際の先輩エンジニアから聞くことで、「この企業では、どのような状況で待機が発生しやすいのか?」を確認することができ、待機率についても一定の把握が可能です。

また、待機期間が発生した場合の企業の待遇や対処についても合わせてチェックすると良いでしょう。

まとめ:SESの待機期間は不安だが、活かし方と会社選びで差がつく

SESの待機期間は、どんな優秀なエンジニアでも起こりうる一時的な空白期間です。

しかし、可能な限り待機期間がない営業力の強いSES企業を選ぶことで、エンジニアのキャリアへの影響を減らすことができます。

また、仮に待機期間が出来たとしても、待機期間中にスキルアップを図ることでエンジニアとしてのキャリアに、他と大きな差をつけることができるでしょう。

待機中の給与保証があるSES企業を選ぶことも、待機期間への不安の対処となります。

待機期間に不安を感じることもあるかもしれません。

しかし、給与保証がされている企業を選び、最低限の不安にとどめ、エンジニアとしての市場価値を高める期間として待機期間を有意義に過ごしてみてください。

著者プロフィール写真

【著者プロフィール】
前田 奈央子
エンジニア歴: 7年+
システムエンジニア歴(バックエンド): 3年+

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