「フリーランスエンジニアとして数年働いたけど、将来が不安になってきた…」
「やっぱり福利厚生や安定した収入が欲しい」
「ライフステージの変化で正社員に戻りたい」
今、このような思いを抱え、「フリーランスから正社員」へのキャリアチェンジを検討していませんか?
しかし、インターネットで検索すると「フリーランスから正社員 難しい」といったネガティブな情報が目につきます。一度自由な働き方を経験してしまうと、本当に正社員への道は閉ざされてしまうのでしょうか?
この記事は、まさにその不安を抱える現役フリーランスエンジニアの方に向けて、フリーランスからの正社員転職が「なぜ難しいと言われるのか」を徹底的に分析し、その具体的な壁を乗り越えて成功を掴むための戦略を解説します。

【著者プロフィール】
江﨑 奈那
看護師/治験コーディネーター:3年
システムエンジニア:3年+
フリーランスから正社員に戻るのは難しい?
結論、フリーランスから正社員に戻るのは難しいと言われていますがそんなことはありません!
フリーランスという働き方は、近年ますます一般的になっています。
自由な時間、場所、そして案件を選べる魅力がある一方で、「キャリアの安定性」という点では正社員に一歩譲ります。
特にエンジニアという職種は、技術の進化が激しいため、「正社員の安定した環境で腰を据えてスキルアップしたい」「管理職などのキャリアパスを目指したい」といった理由から、正社員への回帰を望む人も少なくありません。
しかし、その決断には「難しい」という現実が立ちはだかります。
なぜ「難しい」と言われるのか
フリーランスから正社員への転職が「難しい」と言われる背景には、主に以下の3つの理由があります。
1. 企業側の「定着性」に対する不安
自由な働き方を知っているフリーランスが、正社員として組織のルールや時間的制約に縛られる環境に本当に馴染めるのか、すぐに辞めてしまうのではないかという懸念を企業側が持つためです。
2. スキルの「汎用性」の懸念
特定のプロジェクトや技術領域に特化しすぎている場合、企業が求める幅広い業務に対応できるか、他のメンバーと協力して業務を推進できるかといった点に疑問符がつくことがあります。
3. 転職市場における「年齢」と「経験」の評価基準
特に30代後半以降になると、企業は即戦力として高いスキルと同時に、組織マネジメント能力や協調性を求めます。
フリーランスとしての経験が、企業が求める正社員としてのキャリアパスと合致しない場合、難易度が上がります。
企業がフリーランス経験者を見るときの視点
企業がフリーランス経験者の採用を検討する際、採用担当者は主に以下の視点であなたの経歴を評価します。
| 視点 | 企業が重視するポイント | フリーランス経験がネックになりやすい点 |
|---|---|---|
| 即戦力性 | 特定の技術・業務に関する深さと専門性。入社後すぐに利益を生み出せるか。 | 経験が属人的で、他の環境で再現性がないと見なされる可能性。 |
| 協調性・定着性 | 組織文化への適応力。チームでの開発経験や、ルールを守る姿勢。 | 組織へのコミットメント(貢献意欲)が低いと見なされやすい。 |
| 自己管理能力 | 目標達成への主体性、計画性、学習意欲。 | 案件の継続性が途切れていないか(ブランク期間)が厳しく見られる。 |
| キャリアの整合性 | 正社員として目指したいキャリアパスと企業が提供できるポジションの整合性。 | 「なぜフリーランスをやめたのか」という理由が曖昧だと不安視される。 |
企業は、単に「スキルがある」フリーランスではなく、「正社員として長く貢献してくれる、協調性のある即戦力」を求めているということを、まず認識しておく必要があります。
実際に再就職に成功した人・失敗した人の違い
この「難しい」壁を乗り越え、正社員への再就職に成功した人と、なかなかうまくいかない人の間には、明確な違いが見られます。
成功者の特徴
- 「なぜ戻るのか」の動機が明確
「組織マネジメントを経験したい」「長期的なプロダクト開発に携わりたい」「安定した環境で特定の技術を深掘りしたい」など、正社員だからこそ実現できる目標を明確に持っている。 - 実績の「言語化」と「数値化」に成功
フリーランス時代のプロジェクトで「何を達成し、どれだけの成果を出したか」を具体的な数値(例:開発期間短縮率15%、ユーザー数増加に貢献など)で示している。 - チーム開発・協調性をアピール
客先でのチーム開発経験や、クライアントとの円滑なコミュニケーション能力を具体的に示し、協調性の懸念を払拭している。
失敗者の特徴
- 動機が「安定」や「不安」などネガティブに終始
「フリーランスは不安だから」「確定申告が面倒だから」など、消極的な理由しか伝えられない。 - 経歴が「作業内容」の羅列に留まる
「〇〇言語を使った」「〇〇システムの開発を行った」など、職務経歴書が具体的な成果や貢献度を示せていない。 - 企業文化への理解不足
自分が求めているものと、企業の提供する環境がミスマッチしており、面接で「またすぐに辞めそう」と思われてしまう。
フリーランスから正社員が難しいと言われている理由
前章で触れた企業の視点をさらに掘り下げ、フリーランスからの転職が具体的にどのような点で難しくなるのか、その理由を詳細に見ていきましょう。
定着性や協調性に対する企業側の不安
これは、フリーランス経験者に対する最も大きな懸念点です。
フリーランスは、基本的に自分のペースで仕事を進め、契約期間が終了すれば次の案件に移るという「プロジェクトベース」の働き方です。
一方、正社員は「雇用ベース」であり、組織への継続的なコミットメントが求められます。
自由な出勤時間や場所を選んでいた人が、定時出社・オフィス勤務の環境で働けるのか。
企業の文化、社内規定、稟議プロセスなど、正社員特有の「しがらみ」を受け入れられるのか。
自己の利益(報酬やスキルアップ)よりも、チームや組織の目標達成を優先できるのか。
企業は、高い報酬を払って採用した人材がすぐに辞めてしまうリスクを極度に嫌います。
面接では、この「定着性」と「協調性」に対する疑問を払拭できる具体的なエピソードを用意しておくことが不可欠です。
スキルが偏っていて汎用性が低い場合
フリーランスエンジニアは、特定のプロジェクトで求められる特定の技術スタックに特化することで高い報酬を得るケースが多くあります。
これはフリーランスとしての強みですが、正社員転職においては弱みとなることがあります。
高単価な案件を継続して受注するために、あえて古い技術(例:COBOL、VBなど)に特化している場合、多くの企業が求めるモダンな技術(例:React, Go, Pythonなど)の経験が不足していると判断されることがある。
常に最新の技術を自ら学び続け、異なるプロジェクトの環境に柔軟に適応できる姿勢や経験が示せないと、「うちの環境で本当にキャッチアップできるのか?」と疑問視される。
正社員、特にマネージャー候補の採用においては、技術力だけでなく、要件定義、メンバー育成、プロジェクトマネジメントといった、汎用的なビジネススキルが求められる。
年齢やキャリアの空白がハードルになる
フリーランスは、案件の切れ目や自己学習期間などで「キャリアの空白期間(ブランク)」ができやすい働き方です。
企業は、このブランク期間について詳しく説明できないと、「怠けていたのでは?」「スキルが鈍っているのでは?」とネガティブに捉えることがあります。
また、年齢も大きなハードルです。
ポテンシャル採用の余地があり、フリーランス経験はむしろ「主体的なキャリア選択」としてプラスに評価されやすい。
即戦力としての専門性、そして管理職候補としての適性を求められる。
フリーランス時代の経験が、正社員としてのマネジメント経験に繋がると評価されれば成功しやすい。
「マネジメント経験」や「組織を牽引した経験」がほぼ必須。
技術力だけでは難しく、フリーランス時代にチームリードやクライアントへの技術提案といった経験がないと、難易度が格段に上がる。
職務経歴が整理されていないケース
多くのフリーランスエンジニアは、職務経歴書を作成する際、契約した案件の「作業内容」を淡々と羅列する傾向があります。
「〇〇社のWebサービスの機能開発に参画(使用技術:A言語、Bフレームワーク)」
このような記述だけでは、企業側は以下の重要な情報を読み取ることができません。
- あなたがチームにどのような影響を与えたか(貢献度)
- プロジェクトにおけるあなたの役割と裁量(主体性)
- そのプロジェクトでどのような課題を解決し、何を学んだか(成長性)
職務経歴書が単なる「作業報告書」になっていると、せっかくのフリーランス経験が企業にとって魅力的な実績として伝わらず、不採用の原因となってしまいます。
フリーランス経験は本当に不利?プラスになる側面もある
ここまで難しい側面に焦点を当ててきましたが、フリーランス経験は決して不利なことばかりではありません。
むしろ、正しくアピールすれば、正社員経験者にはない強力なアドバンテージとなります。
高い技術力や即戦力として評価される場合
フリーランスの経験は、特定の技術領域における「深さ」と「即戦力性」を証明します。
フリーランスとして生き残るには、常に市場価値を高め、求められる技術を習得し続けなければなりません。
企業は、この「市場で通用する技術力」を高く評価します。
例えば、「AWSの設計・構築なら誰にも負けない」「Vue.jsを使ったフロントエンド開発で高速なパフォーマンスを実現できる」といった、特定の技術に特化した高いスキルは、企業にとって喉から手が出るほど欲しい人材。
案件が変わるごとに新しい技術をキャッチアップしてきた事実は、企業に「この人は入社後も自律的にスキルを磨き続けるだろう」という強い期待感を与える。
主体性やセルフマネジメント能力は強みになる
フリーランスは、文字通り「自分で立つ」働き方です。
案件獲得から契約交渉、タスク管理、確定申告まで全てを自己責任で行うため、この過程で培われる能力は、正社員としても非常に価値があります。
| 能力 | 正社員として評価されるポイント |
|---|---|
| 主体性・推進力 | 指示待ちではなく、自ら課題を見つけて解決策を提案し実行する能力。新規事業や既存プロダクト改善の原動力となる。 |
| セルフマネジメント力 | 納期管理、体調管理、学習計画など、高い自己規律性。リモートワークや裁量労働制の環境下で特に重要。 |
| 交渉力・コミュニケーション能力 | クライアントとの契約交渉や要件定義を通じて培われた、ビジネスの現場で通用する対人スキル。 |
これらの能力は、特に変化の激しいベンチャー企業や、リモートワークを導入している企業で高く評価されます。
幅広い案件経験がプラスに働くケース
正社員の場合、多くはその企業が提供するサービスやプロダクトに深く関わることになります。これは専門性を高めますが、反面、経験の幅は狭くなりがちです。
一方でフリーランスは、短期間で業界やサービスが異なる様々なプロジェクトを経験するチャンスがあります
EC、金融、SaaSなど、多様な業界の開発を経験していれば、ある業界で得た知見を別の業界の課題解決に応用できる、俯瞰的な視点を持つことができる。
ウォーターフォール、アジャイルなど、異なる開発手法やチーム規模を経験していることは、新しい組織にスムーズに順応できる証拠となる。
この「幅広い経験」を、単なる作業の羅列ではなく「多くの課題を解決してきた柔軟性」としてアピールできれば、強力なプラス材料になります。
フリーランスから正社員転職を成功させる方法
フリーランスから正社員への道は「難しい」からこそ、戦略と準備が成功を左右します。
フリーランス経験を最大限に活かし、企業の不安を払拭するための具体的な方法を紹介します。
職務経歴書で実績を数値化してアピールする
前述したように、職務経歴書は「作業報告書」から「ビジネス貢献レポート」へと変える必要があります。
1.職務内容を「成果」と「役割」で記述する
〇〇社の基幹システムにおけるDB設計を担当(PostgreSQL)
基幹システムのDB構造をゼロから設計し、旧システム比でクエリ応答速度を平均30%改善。
リードエンジニアとして、チームメンバー3名の技術レビューとOJTも担当。
このように、「課題」→「あなたの行動」→「結果(数値)」のプロセスで記述することで、即戦力性、問題解決能力、そして組織への貢献度を具体的に伝えられます。
2.ポートフォリオでコードの質を示す
Webエンジニアであれば、フリーランス時代に作成したコードの一部をGitHubなどで公開し、採用担当者にコードの品質、設計思想、コミットの頻度を示すのが最も効果的です。
言葉だけでなく、実際の成果物でスキルを証明しましょう。
面接で「なぜ戻るのか」を明確に伝える
企業が最も知りたいのは、「なぜ自由なフリーランスをやめて、組織に縛られる正社員に戻ろうとしているのか?」という動機です。
ネガティブな理由は避け、ポジティブで説得力のある理由を伝えましょう。
伝えるべき動機(ポジティブ)
- 「長期的なプロダクトの成長にコミットしたい」
特定の企業で腰を据えて、サービスの企画から運用まで深く関わりたい。 - 「マネジメントや組織づくりに挑戦したい」
フリーランスでは難しかった、チーム育成や組織全体の技術力向上に貢献したい。 - 「安定した環境で〇〇のスキルを極めたい」
企業が提供する研修制度や環境を活用し、特定の技術を深く掘り下げたい。
避けるべき動機(ネガティブ)
- 「収入が不安定だから」 「確定申告が面倒になった」
- 「新しい技術のキャッチアップが不安で」
- 「やっぱり福利厚生が欲しい」
あなたのフリーランス経験が、正社員として働くことで「さらに大きな目標を達成するためのステップ」であると伝えることで、企業はあなたの成長意欲と定着性を確信できます。
転職エージェントを活用してマッチ度の高い求人を探す
フリーランスから正社員への転職は、一般の転職活動よりも特殊な側面があります。
このため、「フリーランスからの転職支援」に強い特化型・専門型のエージェントを活用することが極めて重要です。
エージェントは、企業がフリーランス経験者に対して持つ懸念(協調性、定着性など)や、それを払拭するために何を求めているか、という「本音」を知っている。
フリーランス経験がポジティブに伝わる職務経歴書の作成サポートや、「なぜフリーランスから戻るのか」という質問に対する最適な回答例など、専門的な対策を受けられる。
フリーランス経験者を歓迎している、またはスキルさえあれば経歴の形式を問わない、といった柔軟な採用方針を持つ企業の非公開求人を紹介してもらえる可能性が高まる。
不足しているスキルを補強しておく
面接で企業側の懸念を払拭するために、転職活動と並行して不足しているスキルを意識的に補強しておきましょう。
フリーランス時代に個人開発が多かった場合、コミュニティ活動や副業で、意図的にチーム開発や共同プロジェクトに参加し、その経験をアピール材料にする。
もしレガシーな技術の案件が多かったなら、自己学習でモダンな技術のプロダクトを開発し、ポートフォリオとして提示します。「常に最新を学び続ける意欲」を示すことが重要です。
管理職を目指す場合は、PMPなどの資格学習や、ITIL、スクラムマスターなどの知識を習得し、座学でも組織運営の知識があることを示せると、評価が上がります。
まとめ:フリーランスから正社員は難しいが戦略次第で可能
「フリーランスから正社員 難しい」という言葉は、多くのフリーランスエンジニアの頭を悩ませる現実です。
しかし、この記事で解説した通り、その「難しさ」の正体は、企業側が抱く「定着性」「協調性」「汎用性」への不安であり、あなたの技術力の不足ではありません。
フリーランスとして培ってきた高い専門性、即戦力としてのスキル、そして主体性やセルフマネジメント能力は、正社員経験者には真似できない、非常に強力なアドバンテージです。
この強みを最大限に活かし、企業の不安を戦略的に払拭することができれば、フリーランスからの正社員転職は十分に可能です。
成功の鍵は、以下の4点に集約されます。
- 実績の数値化と構造化:職務経歴書を「成果と貢献」のレポートに変える。
- 動機の明確化:「なぜ戻るのか」をポジティブなキャリア目標として語る。
- 専門エージェントの活用:フリーランス転職に理解のある企業の求人を探す。
- 懸念点の補強:チーム開発経験やモダンな技術を意識的に学び、不足を埋める。
あなたのフリーランス経験は、決して回り道ではありません。自信を持って、次のキャリアへと踏み出しましょう。

【著者プロフィール】
江﨑 奈那
看護師/治験コーディネーター:3年
システムエンジニア:3年+

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