フリーランスエンジニアの単価相場を徹底解説!スキル・経験年数別の目安と単価アップ戦略

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フリーランスエンジニアとして「自分の単価が妥当か」「どうすれば単価を上げられるか」は、キャリアを左右する重要な課題です。

フリーランスの単価は、スキル・経験年数・担当フェーズ・勤務形態・営業ルートによって大きく変動し、市場価値を直接的に示します。

この記事では、フリーランスエンジニアの単価相場を、スキル別・経験年数別に徹底的に解説します。市場価値を正しく理解し、キャリアを有利に進めるための参考にしてみてください。

【著者プロフィール】
江﨑 奈那

看護師/治験コーディネーター:3年
システムエンジニア:3年+

目次

フリーランスエンジニアの単価相場はどれくらい?

フリーランスエンジニアの単価は、IT業界全体の活況と技術者不足を背景に、年々上昇傾向にあります。ここでは、具体的な平均単価と、正社員と比較した場合の年収目安を見ていきます。

平均単価と中央値の目安

フリーランスエンジニアの単価相場は、月額60万円〜80万円の範囲に収まることが多いとされています。

しかし、これはあくまで全体の平均であり、案件の内容や求められるスキルレベルによって、月額30万円台から100万円以上まで非常に幅があります。

  • 平均単価(目安):月額 65万円〜75万円
  • 中央値(目安):月額 70万円前後

中央値が平均値に近いことから、多くの案件がこのレンジに集中していることがわかります。特に、Web系の開発案件やインフラ構築・運用案件において、この相場感が適用されることが多いです。

ただし、AI・データサイエンスPM(プロジェクトマネージャー)などの高度なスキルやポジションにおいては、月額90万円〜120万円を超える高単価も珍しくありません。

単価の目安(月額)と年収換算(12か月稼働)

単価(月額)年収換算(控除前)備考
50万円600万円駆け出し~経験の浅いエンジニア、または地方案件やフルリモート・週3案件など
70万円840万円中堅エンジニアのボリュームゾーン
90万円1,080万円ベテラン・リードエンジニア、または需要の高い特定技術に特化
120万円1,440万円PM/PMO、高度な専門性をもつスペシャリスト

正社員との年収比較

フリーランスの単価を正社員の年収と比較する場合、「額面の単価=そのまま年収」ではないことに注意が必要です。フリーランスは、単価から以下のような経費や税金をすべて自己負担しなければなりません。

  • 福利厚生費(健康保険、年金など):会社負担分がなくなり、すべて自分で支払う。
  • 税金(所得税、住民税):すべて自分で納税する。
  • 経費(交通費、通信費、PC代、書籍代など):自己負担。
  • 稼働率リスク:案件と案件の間に収入がない期間が発生するリスク。

一般的に、フリーランスエンジニアが正社員時代と同等かそれ以上の手取り収入を得るには、正社員時代の年収の1.2倍〜1.5倍程度の単価が必要とされています。

例えば、正社員時代の年収が600万円だった場合、フリーランスとして同じ水準の手取りを得るには、年収720万円〜900万円(月額60万円〜75万円)程度の単価を目指す必要があります。

フリーランスの魅力は、労働時間に比例しない高収入の可能性にあります。特に市場価値の高いスキルを持つエンジニアであれば、正社員時代を大きく上回る年収を実現することが可能です。

スキル別の単価相場

単価を決定する最大の要因の一つが、エンジニアが保有するスキルセットです。需要が高く、代替の効きにくい専門スキルほど、単価は高くなります。

Webエンジニア(フロントエンド・バックエンド)

Webエンジニアは、IT業界で最も案件数が多く、フリーランスの入り口としても人気が高い分野です。

スキル単価相場(月額)特徴と高単価ポイント
フロントエンド(React, Vue.js, TypeScript)60万円〜85万円ユーザー体験(UX)を考慮した設計スキルや、モダンなフレームワーク(特にReact)の実務経験が豊富だと高単価になりやすい。
バックエンド(Java, PHP, Python, Go, Ruby)65万円〜95万円JavaPython(特にDjango/Flask)、そして処理速度に優れるGoは高単価案件が多い。大規模システムの設計・開発経験が重要

インフラ・クラウドエンジニア(AWS・Azureなど)

システムの基盤を支えるインフラエンジニアは、慢性的に需要が高く、特にクラウドスキルを持つエンジニアの単価が急騰しています。

スキル単価相場(月額)特徴と高単価ポイント
クラウド(AWS, Azure, GCP)75万円〜110万円認定資格(特にAWSのProやSpecialty)と設計・構築・移行の実務経験が直結する。
単なる運用監視ではなく、IaC(Terraform, Ansible)DevOpsへの対応力が求められる。
オンプレミス・仮想化60万円〜80万円クラウドスキルと掛け合わせることで、クラウド移行案件などで価値が高まる。

モバイルアプリエンジニア(iOS・Android)

スマートフォンアプリの開発案件は、安定した人気があります。特に、技術の移り変わりが早いため、モダンな技術への対応力が求められます。

スキル単価相場(月額)特徴と高単価ポイント
iOS(Swift, SwiftUI)70万円〜90万円Appleの新技術への追従が重要。SwiftUIや最新のOS対応スキル、クリーンアーキテクチャの導入経験など。
Android(Kotlin, Jetpack Compose)68万円〜88万円Kotlinへの移行は必須。Jetpack ComposeなどのモダンなUIツールキットの経験が加点対象。
クロスプラットフォーム(Flutter, React Native)65万円〜85万円複数のプラットフォームを同時に開発できる効率性の高さが魅力。Webエンジニアの経験を活かしやすい。

AI・データエンジニア(機械学習・データ分析)

最も高単価案件が多い分野の一つです。データサイエンスや機械学習の専門性は、他のエンジニアとは一線を画します。

スキル単価相場(月額)特徴と高単価ポイント
AI・機械学習(Python, TensorFlow, PyTorch)80万円〜120万円以上モデル開発だけでなく、その実運用(MLOps)の経験が非常に重要。アカデミックな知識とビジネス適用能力の両方が求められる。
データ分析・基盤(SQL, Hadoop, Spark)70万円〜100万円大規模データのETL処理、データレイク/ウェアハウスの構築(BigQuery, Snowflakeなど)のスキルが単価に直結。

PM・上流工程の単価相場

開発だけでなく、プロジェクト全体を管理・推進するポジションは、その責任の重さから非常に高い単価が設定されます。

スキル単価相場(月額)特徴と高単価ポイント
PM(プロジェクトマネージャー)90万円〜150万円プロジェクトの計画、予算、進捗、リスク管理すべてに責任を持つ。大規模プロジェクトの経験、ステークホルダーとの交渉力が必須。
PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)85万円〜120万円PMを支援し、プロジェクト横断的な標準化やガバナンスを担う。プロセス改善スキルPMPなどの資格が評価される。
ITコンサルタント・要件定義100万円〜160万円顧客のビジネス課題解決に深く関与し、戦略立案や超上流工程(企画・要件定義)を担う。コミュニケーション能力と業界知識が最重要。

経験年数別の単価相場

フリーランスエンジニアの単価は、スキルセットと並んで実務経験の年数に大きく影響を受けます。経験年数は、単に開発期間の長さを意味するのではなく、案件を成功に導いた実績の積み重ねを意味するからです。

未経験〜駆け出しエンジニアの相場

  • 単価相場:月額 30万円〜55万円

実務経験が1年未満、あるいはフリーランスになったばかりのエンジニアは、このレンジに位置することが多いです。

この段階では、「単価を上げる」ことよりも「実務経験を積む」ことが最優先事項となります。

単価は低めでも、モダンな技術スタック(React, Vue.js, AWSなど)を使った案件や、経験豊富な先輩エンジニアがいるチームでの開発案件を選ぶことが、将来の単価アップの土台となります。

また、週3日やリモート中心の案件は、単価が低くなる傾向があるため、経験を積む時期は常駐案件高稼働率の案件を選ぶのも有効です。

3年程度の中堅エンジニアの相場

  • 単価相場:月額 60万円〜85万円

実務経験3年程度になると、一般的なWeb開発やアプリケーション開発において、小規模な機能であれば設計から実装まで一人で担当できるようになります。

この層が、フリーランス市場の最も大きなボリュームゾーンです。

この段階の単価アップの鍵は、「専門性」の確立「コミュニケーション能力」
  • 得意な言語・フレームワークに磨きをかけ、その分野の「即戦力」として市場にアピールする。
  • 単なるコード書きだけでなく、メンバー間の連携クライアントへの報告など、チーム開発におけるソフトスキルを発揮する。

特に、リーダーポジションの経験が少しでもあると、単価が一段階上がりやすくなります。

5年以上のベテラン・リードエンジニアの相場

  • 単価相場:月額 85万円〜120万円以上

実務経験5年を超え、大規模なシステム開発やプロジェクトを主導した実績があるエンジニアは、高単価を実現しています。

このレベルになると、単価はスキルや経験年数以上に「ポジション(役割)」に大きく依存
  • 技術的なリード(テックリード、アーキテクト):技術選定、設計方針の決定、コードレビュー、難易度の高いバグ対応など、技術的な責任と指導力が評価される。
  • 上流工程への参画:要件定義や基本設計など、ビジネス課題の解決に直結するフェーズを担う能力が求められる。

この層のエンジニアは、「替えの効かない存在」として重宝され、単価交渉も有利に進めやすくなります。

単価を左右する要素

単価はスキルと経験年数だけで決まるわけではありません。市場の需給、案件の形態、さらには契約に至るまでのプロセスも、単価に大きく影響します。

スキルセットと最新技術の習得状況

言うまでもなく、需要(市場が求めている技術)と供給(その技術を持つエンジニアの数)のバランスが単価を決定します。

  • 高単価になりやすい技術の例
  • クラウド環境(AWS, Azure, GCP)の深い知識と実運用経験
  • Go, Rust, Kotlinなどの比較的新しい言語
  • AI/機械学習、ビッグデータ処理
  • ブロックチェーン、セキュリティ関連技術
  • 技術の「掛け合わせ」の例

「Reactのスキル」に「AWSのサーバーレス構築スキル」を組み合わせることで、単一スキルよりも高い単価が期待できる。ニッチで深い専門性こそが高単価の源泉。

実務経験と参画した案件の規模

「〜の技術を使えます」よりも、「〜の技術を使って、月間100万PVのECサイトの決済システムをリプレイスしました」という具体的な実績の方が単価交渉で強力です。

  • 大規模案件の実績の例

複雑な要件、大人数のチーム、高い品質基準をクリアした経験は、「プロジェクト遂行能力」の証明になる。

  • ビジネスへの貢献度の例

「開発コストを20%削減した」「コンバージョン率を5%向上させた」など、技術がビジネスに与えた影響を言語化できると、市場価値は飛躍的に向上する。

勤務形態(常駐/リモート/副業)の違い

案件の勤務形態は、フリーランスの単価に直接影響します。

常駐案件(フルタイム)
  • 単価は最も高くなる傾向がある。企業側は、オフィスでの密なコミュニケーションと高いコミットメントを期待するため、高単価を提示しやすい。
フルリモート案件
  • 地方在住者など、場所の制約を受けずに参画できるため人気が高く、常駐案件よりやや単価が下がる傾向がある。
  • しかし、企業側が都心の単場基準で募集している場合は、高単価を維持できる場合もある。
週3〜4日、または副業案件
  • 日額または時間単価で計算されるため、月額換算ではフルタイムより単価が低くなる。
  • ただし、複数の案件を掛け持ちできるため、全体としての収入は高くなる可能性も考えられる。

エージェントや直契約など営業ルートの違い

フリーランスの単価には、クライアントとあなたとの間にいる「中間業者」の有無が大きく関わってきます。

フリーランスエージェント経由
  • エージェントが案件獲得から契約交渉、支払いまでを代行してくれるため、営業活動の手間がかからない。
  • その代わり、エージェントが中間マージン(一般的に10%〜30%程度)を取るため、クライアントが提示する予算のすべてがあなたの単価になるわけではありません。
直契約(リファラル、SNSなど)
  • 中間マージンが発生しないため、クライアントの予算のほぼ全てを単価として受け取れます。結果として、エージェント経由よりも20%〜40%高い単価を実現できる可能性があります。
  • しかし、営業活動や契約、支払いに関するリスクはすべて自己責任となります。

単価を上げるための6つの戦略

単価相場を理解し、現在の自分の市場価値を把握できたら、次はその単価を上げるための具体的なプランを実行する段階です。

ここでは、フリーランスエンジニアが単価を上げるための具体的な戦略の一部をご紹介します。

需要が高いスキルを習得する

市場価値を上げるための最も直接的な方法です。

現在の市場で「人手不足」かつ「ビジネスインパクトが大きい」スキルに時間と労力を投資しましょう。

トレンドの把握

フリーランスエージェントの公開案件や、IT業界のニュースを常にチェックし、今後1〜3年で需要が高まる技術を見極めましょう。

  • 例:AI、セキュリティ、FinTech関連、ブロックチェーンなど。

クラウドの深堀り

Web系・インフラ系問わず、AWS・Azure・GCPの認定資格を取得し、単なる利用経験ではなく「設計・構築・改善」ができるレベルを目指していきましょう。

実践的な学習

資格取得だけでなく、個人開発やOSS(オープンソースソフトウェア)への貢献を通じて、実際に技術を使ったアウトプットを残すことも大切です。

スキルシート・職務経歴書を充実させる

スキルと実績をクライアントに正しく伝えるための「営業ツール」の質を高めることが、単価アップに直結します。

具体的な成果を数値で示す

「システム開発に従事」ではなく、「〇〇技術を導入し、処理速度を30%改善」のように、技術、行動、結果をセットで記述するとより具体的に伝わります。

自分の「ポジション」を明確にする

「開発メンバー」ではなく、「テックリードとして技術選定を担当」「チームリーダーとして若手2名を指導」のように、あなたの責任範囲と貢献度をアピールできます。

最新の情報を更新する

参画する案件が変わるたび、あるいは新しい技術を習得するたびに、スキルシートを最新の状態にブラッシュアップすることをルーティンにすることで、常に最新の情報をアピールできます。

複数のエージェントに登録して相場感を掴む

特定の案件に依存したり、一つのエージェントの情報だけで判断したりするのは危険です。

複数のエージェントを利用することで、あなたのスキルに対する市場全体の評価(単価相場)を正確に把握できます。

単価交渉を比較する

同じスキルシートで複数のエージェントに面談を依頼し、提示される単価を比較することで、エージェントごとのマージン率や得意な案件の単価レンジを見極めることが可能です。

専門特化型のエージェントを利用する

Web系特化、インフラ系特化など、自分の専門分野に強いエージェントを利用することで、より高単価で質の高い案件を紹介してもらえる可能性が高まります。

直契約やリファラルで中間マージンを減らす

最もシンプルかつ効果的に単価を上げられる方法の一つが、中間マージンをカットすることです。

リファラル(紹介)

過去のクライアントや一緒に働いたエンジニアからの紹介(リファラル)は、スキルへの信頼性が担保されているため、高い単価で直契約につながりやすいです。

SNS・ブログでの発信

ブログやSNSなどで積極的に技術情報を発信し、スキルを「ブランド化」することで、企業側から直接オファーが来る機会を創出できます。

コミュニティ活動

技術コミュニティや勉強会に参加し、人脈を広げることも、直契約や高単価なリファラル案件獲得の重要なステップとなります。

案件選びの基準を見直す

単価アップは、技術力向上だけでなく、「案件選びの戦略」にかかっています。

観点低単価になりがちな案件高単価になりやすい案件
フェーズテスト、保守・運用、軽微な改修企画、要件定義、設計、新規開発
求められる役割開発メンバー(指示通りにコードを書く)テックリード、PM、技術選定
技術古いレガシー技術、汎用的な事務作業最新のモダン技術、ニッチで専門性の高い技術
参画目的人手が足りないからとりあえず補充ビジネスの核となる課題を解決するため

まとめ:フリーランスエンジニアの単価相場を理解してキャリアを有利に進めよう

この記事では、フリーランスエンジニアの単価相場を、スキル別、経験年数別に詳しく解説し、さらに単価を決定する要素から具体的なアップ戦略までをご紹介しました。

最後に、この記事の重要なポイントをもう一度振り返りましょう。

  1. 単価の目安:中堅エンジニアのボリュームゾーンは月額60万円〜85万円。高度な専門スキルやPM経験があれば100万円以上も可能です。

  2. 市場価値:単価は、スキルセット実務実績、そしてポジション(役割)で決まります。特にクラウド、AI、Go、テックリードといったキーワードが高単価の鍵です。

  3. 単価アップの戦略需要の高い最新技術を習得し、スキルシートを数値で証明できる実績で充実させること。さらに、直契約やリファラルを意識して中間マージンを減らす努力が不可欠です。

フリーランスエンジニアにとって、単価は努力が報われる「通信簿」です。

闇雲に単価交渉するのではなく、市場の相場を正しく理解し、自分の市場価値を高めるための戦略的なアクションを取ることが、理想のキャリアを実現する唯一の方法です。

自分のスキルと経験を正しく評価し、より有利な条件で案件を獲得できるよう、この記事が一助となれば幸いです。

【著者プロフィール】
江﨑 奈那

看護師/治験コーディネーター:3年
システムエンジニア:3年+

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