フリーランスエンジニアはきつい?正社員との違いから見えた「後悔しない」働き方

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フリーランスエンジニアという働き方に憧れを抱く一方で、「現実は甘くない」「きつい」という声を耳にすることも多いでしょう。

自由な時間、高単価、場所を選ばない働き方——。

これらは確かにフリーランスの魅力ですが、その裏側には会社員時代には想像もしなかった苦労やプレッシャーが隠れています。

本記事では、フリーランスエンジニアが「きつい」と言われる真の理由を深掘りし、その困難をどう乗り越え、理想のキャリアを築いていくべきかを解説します。これから独立を目指す方や、現在フリーランスとして壁にぶつかっている方のヒントになれば幸いです。

【著者プロフィール】
江﨑 奈那

看護師/治験コーディネーター:3年
システムエンジニア:3年+

目次

フリーランスエンジニアは本当にきつい?

「フリーランスはきつい」という言葉は、半分正解で半分は間違いです。

なぜなら、その「きつさ」の正体を知り、対策を打てているかどうかで、状況は劇的に変わるからです。

なぜ「きつい」と言われるのか

フリーランスが「きつい」と言われる最大の理由は、「エンジニアとしての実務以外」のタスクが急増し、すべてを一人で抱え込まなければならないからです。

会社員であれば、営業部が案件を取り、総務・経理が事務手続きを行い、上司がキャリアパスを考えてくれます。

しかし、フリーランスはこれらすべてを自分一人でこなす「一人経営者」です。コードを書くことだけに集中したくても、現実はそうさせてくれません。

この役割のギャップが、多くのエンジニアにとって「きつい」と感じる要因となります。

正社員との違いから見えるフリーランスの現実

ここで、正社員とフリーランスの構造的な違いを整理してみましょう。

スクロールできます
収入の安定性福利厚生キャリア開発事務作業人間関係
正社員高い(毎月固定給)充実(社保完備、有給あり)会社が研修や機会を提供ほぼなし固定(同僚・上司)
フリーランス低い(案件が途切れるとゼロ)なし(すべて自己負担)100%自己責任確定申告、契約管理など多大流動的(案件ごとに変化)

正社員は「組織に守られている分、自由が制限される」のに対し、フリーランスは「自由である分、すべてのリスクを自分で背負う」というトレードオフの関係にあります。

この「リスク」をコントロールできない状態に陥ったとき、フリーランス生活は一気に「きつい」ものへと変貌します。

フリーランスエンジニアがきついと感じる理由

具体的に、どのような場面で「きつい」と感じるのでしょうか。主な5つの要因を詳しく見ていきましょう。

案件が安定せず収入が途切れる不安

フリーランスにとって最も精神的な負担となるのが、「翌月の仕事があるかどうか分からない」という不安定さです。

プロジェクトの突然の終了

予算カットや経営方針の変更により、優秀なエンジニアであっても契約が打ち切られることがあります。

「待機期間」の無収入

次の案件が決まるまでの空白期間は、貯金を切り崩す生活になります。

病気やケガのリスク

自分が動けなくなれば、その瞬間に収入は止まります。会社員のような傷病手当金(標準的な公的保障)も、フリーランスには原則ありません。

営業・交渉・契約などすべて自己責任

エンジニアとしての技術力が高くても、それを「売る力」がなければフリーランスは務まりません。

単価交渉の難しさ

自分の市場価値を客観的に把握し、クライアントと対等に交渉するのは骨が折れます。特に、知人からの紹介だと「安く買い叩かれる」ケースも少なくありません。

契約書のリーガルチェック

支払い条件や損害賠償、著作権の帰属など、契約書の内容を隅々まで確認しないと、後に大きなトラブルに発展するリスクがあります

営業活動の手間

案件を探すためにエージェントと面談したり、ポートフォリオを更新したりする時間は、直接的な報酬(売上)を生まない「持ち出し」の時間です。

確定申告・税金・保険など事務作業の負担

「自分はコードを書くために独立したのに、なぜレシートの整理をしているのか……」 これは多くのフリーランスが一度は抱く悩みです。

確定申告(青色申告)

複式簿記での帳簿付けは、未経験者にとって非常に難解です。

税金の支払い

所得税だけでなく、住民税、個人事業税、消費税(課税事業者の場合)など、忘れた頃にやってくる高額な納税通知書は精神的なダメージを与えます。

社会保険料の負担

厚生年金から国民年金に、健康保険から国民健康保険(または任意継続)に切り替わると、会社が負担してくれていた半分を自分で払うことになるため、想像以上に支出が増えます。

孤独感やメンタル面のプレッシャー

「自由」は「孤独」と隣り合わせです。

相談相手がいない

技術的な壁にぶつかったときや、キャリアに迷ったとき、職場に気軽に相談できる同僚がいません。

評価の不在

会社員のように定期的な査定やフィードバックがないため、「自分はこのままでいいのだろうか」という漠然とした不安に襲われやすくなります。

オン・オフの境界喪失

自宅で仕事をしていると、24時間仕事のことを考えてしまい、メンタルダウンしてしまうケースも珍しくありません。

スキルが古くなると案件が減るリスク

フリーランスは「即戦力」として期待されます。教育してもらう立場ではなく、成果を出す立場です。

学習時間の確保が困難

稼働率を上げすぎると、新しい技術を学ぶ時間がなくなります。

スキルの固定化

同じような案件ばかり受けていると、数年後には「時代遅れのエンジニア」になってしまい、単価が下がるか、案件自体が取れなくなるリスクがあります。

年齢の壁

若いうちは体力でカバーできても、40代、50代と年齢を重ねるにつれ、常に最新技術を追い続けることへの負担感は増していきます。

フリーランスエンジニアのきつさを軽減する方法

「きつい」現実を放置してはいけません。適切な戦略を立てることで、これらの負担は大幅に軽減できます。

複数の案件獲得ルートを確保する

「一つのエージェントに頼り切る」のはリスクです。複数のチャネルを持つことで、心理的な安全性と交渉力を高められます。

  1. フリーランス特化型エージェント

    営業を代行してくれる心強い存在です。複数登録して、案件の質や単価を比較しましょう。

  2. SNS・ブログでの発信

    X(旧Twitter)や技術ブログで発信を続けることで、直接仕事の依頼が来る「インバウンド営業」の仕組みを作れます。

  3. 過去の職場や知人のつながり

    信頼関係ができている相手からの案件は、条件交渉がスムーズで、仕事内容のミスマッチも少ない傾向にあります。

スキルアップを継続して市場価値を維持する

「今のスキルでいくら稼げるか」ではなく、「3年後に何が求められるか」を予測して動くことが重要です。

  • 週に数時間は「自己投資」に充てる

稼働率を80%程度に抑え、残りの20%を学習や情報収集に使うのが理想的です。

  • 「掛け合わせ」で希少性を高める

「React × Go」や「AWS × セキュリティ」など、複数のスキルを組み合わせることで、替えのきかない存在を目指しましょう。

税務・経理は専門家に任せる

時間は有限です。自分が苦手な作業は、お金で解決する(アウトソーシングする)のがフリーランスとしての賢い選択です。

  • クラウド会計ソフトの導入

Freeeやマネーフォワードを使えば、銀行口座やカードとの連携で仕訳を自動化できます。

  • 税理士への依頼

年商が一定以上(一般的に1,000万円前後)になったら、税理士に丸投げすることを検討しましょう。節税のアドバイスをもらえるため、結果的に支払う報酬以上のメリットがあることが多いです。

コミュニティや仲間を持ち孤独を避ける

孤独を解消するには、自ら外に繋がりを求める姿勢が必要です。

コワーキングスペースの活用

決まった場所で仕事をすることで生活リズムが整い、利用者同士の交流も生まれます。

オンラインサロン・勉強会

同じ悩みを持つフリーランス仲間と繋がることで、情報の共有やメンタルケアが可能になります。

生活防衛資金を確保して精神的余裕を持つ

「お金の余裕は心の余裕」です。

半年〜1年分の生活費を貯める

案件が途切れても「しばらくは大丈夫」と思えるだけの貯金(生活防衛資金)があれば、安易にブラックな案件に飛びつく必要がなくなります。

小規模企業共済やiDeCoの活用

将来への備えを具体的に進めることで、老後への不安を軽減できます。

それでもフリーランスエンジニアを選ぶ価値

ここまで「きつさ」とその対策を述べてきましたが、それでもなお多くのエンジニアがフリーランスを選ぶのは、それを上回る「圧倒的なリターン」があるからです。

自由度の高さとキャリアの選択肢

「誰と、どこで、いつ、何を作るか」を自分で決められるのは、フリーランス最大の特権です。

満員電車から解放され、家族との時間を優先したり、ワーケーションを楽しんだりすることも可能です。

また、特定の会社に縛られないため、複数のプロジェクトに関わることで、会社員よりも速いスピードで経験値を積むことができます。

スキル次第で高単価を狙える可能性

会社員の場合、どれだけ成果を出しても給料が急激に上がることは稀です。

しかし、フリーランスは「自分の市場価値 = 収入」に直結します。

例えば、年収600万円だったエンジニアが独立し、月単価80万円(年商960万円)の案件を獲得するのは決して珍しい話ではありません。

マージン率の低いエージェントを選んだり、直接契約を増やしたりすることで、さらに手取りを増やすチャンスがあります。

自分の働き方を自分で決められる強み

「定年まで今の会社に居続ける」という選択肢が不安定になりつつある現代において、「自分の力で稼ぐスキル」を身につけていることは、最強の生存戦略です。

一度フリーランスとして自走できるようになれば、不況や会社の倒産に怯える必要はなくなり、自分自身の人生のハンドルを自分で握っているという感覚は、何物にも代えがたい自己肯定感をもたらしてくれます。

まとめ:フリーランスエンジニアはきついが工夫次第で乗り越えられる

フリーランスエンジニアとしての生活は、確かに「きつい」場面の連続かもしれません。

不安定な収入、煩雑な事務作業、終わりのないスキルアップ。しかし、それらはすべて「自由」を手に入れるためのコストです。

大切なのは、「きつさ」を個人の根性で乗り切るのではなく、仕組みと準備で解決することです。

  • 複数の案件獲得ルートを持つ

  • 会計ソフトや専門家を頼る

  • コミュニティで仲間を作る

  • 常に学び続ける

これらを徹底すれば、フリーランス特有のストレスをコントロールし、この働き方の恩恵を最大限に享受できるようになります。

「きつい」の先にある、あなたらしい自由なキャリア。

もしあなたがその一歩を踏み出そうとしているなら、まずは市場調査やエージェントへの相談から始めてみてはいかがでしょうか。その小さな一歩が、数年後の大きな自由へと繋がっているはずです。

【著者プロフィール】
江﨑 奈那

看護師/治験コーディネーター:3年
システムエンジニア:3年+

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